大雪や地震、渋滞による通行止めなどで「車の中で夜を明かす」ことになるケースは、決して珍しくありません。特に子ども連れの家庭では、暖房や食事、トイレなどの問題で大きなストレスになります。
この記事では、家族で車中泊を余儀なくされたときに“命と健康を守るための備え”として、すぐに整えられる「車中防災セット」の中身と使い方を紹介します。
「まさかの一晩」に備えて、今日から車にも“小さな防災”を積んでおきましょう。
なぜ車中防災セットが必要なの?
車は移動手段だけでなく、災害時には「一時避難場所」にもなります。停電や停滞、避難所が満員の場合など、車の中で過ごす時間が長くなる可能性があります。
その一方で、暖房や換気、水分補給が不十分だと「低体温症」「脱水」「血栓症(エコノミークラス症候群)」などのリスクも高まります。
「もしもの夜」を想定して車に備えを常備しておくことが、家族を守る第一歩です。
車中防災セットの基本アイテム
車内に置いておく防災グッズは、命を守る基本セット+快適性を補うものの2段階で考えましょう。季節に応じて中身を調整するのもポイントです。
| 分類 | アイテム | 用途・ポイント |
|---|---|---|
| 水・食料 | 飲料水(500ml×人数分×2日分)、非常食(カロリーバー、ビスケット、ゼリーなど) | 常温保存できるものを。定期的に入れ替え。 |
| 保温 | アルミブランケット、寝袋、カイロ(使い捨てタイプ)、厚手のブランケット | 冬季は防寒優先。重ね着もできるように。 |
| 照明 | LEDランタン、ヘッドライト、小型懐中電灯 | 夜間の移動や作業時に。電池は定期チェック。 |
| 衛生 | ウェットティッシュ、簡易トイレ(凝固剤タイプ)、ポリ袋 | トイレ環境がない場合に備える。ニオイ対策も忘れずに。 |
| 健康管理 | 常備薬、絆創膏、消毒シート、体温計 | 家庭で使っている薬を小分けして車に常備。 |
| 情報・連絡 | モバイルバッテリー、充電ケーブル、ラジオ | スマホの電池切れを防ぎ、情報収集を確保。 |
| 快適性 | 耳栓、アイマスク、タオル | 騒音・光を防ぎ、休息の質を上げる。 |
| その他 | 軍手、ガムテープ、ティッシュ、ビニール袋(数枚) | 緊急修理や汚物処理など、多用途に使える。 |
子ども・高齢者がいる家庭での追加アイテム
家族構成によって必要なものは変わります。特に乳幼児や高齢者がいる場合は、体温維持や食事対応の準備が重要です。
| 対象 | 追加アイテム | ポイント |
|---|---|---|
| 乳幼児 | 粉ミルク・液体ミルク、哺乳瓶、離乳食パウチ、おむつ、おしりふき | 使い慣れたメーカーのものを用意。 |
| 小学生 | 子ども用ブランケット、軽食(ゼリーやスティックパン)、遊べる小物 | 不安を和らげるアイテムを。 |
| 高齢者 | 持病薬、入れ歯洗浄グッズ、介護用シート | 普段の生活に近づける工夫を。 |
快適に車中泊をするための工夫
狭い車内で長時間過ごすのは体への負担も大きいもの。次のポイントを意識しておくと快適性が上がり、体調トラブルを防げます。
- 換気を確保: 窓を数cm開け、外気を入れ替える。雨天時はレインガードを利用。
- シートを水平に: 段差をタオルなどで調整し、姿勢を楽にする。
- 体を動かす: 1時間に1回、足首を回す・ストレッチをして血流を促す。
- 窓の目隠し: タオルやアルミシートで簡易カーテンを作り、プライバシーを守る。
- エンジンの使い方: 長時間アイドリングは危険。定期的に換気をしながら短時間利用に。
冬と夏、それぞれの対策
冬(寒冷期)
- カイロ・毛布・厚手の靴下で防寒を強化
- 飲み物は室内に入れて凍結を防ぐ
- 車の排気口が雪でふさがれていないか定期的に確認(CO中毒防止)
夏(暑い時期)
- サンシェード・保冷剤・日よけシートで車内温度を下げる
- 冷感タオルやミストスプレーで体温調整
- 停車中は日陰を確保、直射日光を避ける
トイレ問題をどう乗り切る?
トイレ環境がない車中では、簡易トイレが命綱になります。大人用・子ども用どちらも、凝固剤タイプを人数分用意しましょう。使用後はビニール袋で密封して臭い漏れを防ぎます。小さな子どもにはポータブル補助便座を使うと安心です。
非常時に役立つ情報と連絡手段
通信障害が起きるとスマホが使えなくなることも。
次のような「アナログの備え」もセットにしておくと役立ちます。
- 紙の地図(地域別の防災マップ)
- 家族や親戚の連絡先メモ
- ラジオ(手回しタイプだと電池切れ対策にも)
- ホイッスルやライトなど、助けを呼ぶためのツール
車内の備えは“家族全員の共有”が大事
車中防災セットは、運転する人だけでなく、家族みんなが「どこに何が入っているか」を知っておくことが大切です。
子どもにも「水はここ」「トイレはこの袋」と説明しておくことで、いざというときに落ち着いて行動できます。
まとめ:車にも“わが家の防災拠点”を
車の中は、災害時の小さな避難所にもなります。
少しの準備で、寒さ・暗さ・不安をやわらげることができます。
日常のドライブ用品の延長で「家族の命を守る防災車両」に。
今日の帰り道、トランクにブランケットと水を1本入れることから始めてみましょう。

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